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「おんな城主 直虎」あらすじ・ネタバレ・感想 第7回「検地がやってきた」2017年2月19日放送

前回のお話は、ようやく10年ぶりの再会を果たし、手の届くところにいるというのに結ばれることを許されない次郎と直親の、なんとも儚く辛い別れのお話でございました。

そして、直親と政次の友情にも少しずつほころびが…。

 

いよいよ、のちに松平元康→徳川家康となる竹千代(演:阿部サダヲ)も登場し、直政以外の主要キャストが揃いつつありますが、これからさらなる激動の展開が待っているものと思われます。

それでは、第7回のあらすじと記事後半に結末(ネタバレ・感想)です。

第7回「検地がやってきた」あらすじ

直親が元服、婚姻し、ようやく後継ぎができたと安堵したのもつかの間。

井伊家には次なる試練が訪れるのでした。

 

今川から、検地をやり直し、国衆たちへの賦役と軍役を見直すという通達があったのです。

そうなると今川家からお役人が来て井伊家が調べた「指出」(さしだし)の内容をあらためる事になります。

この指出というのは、田畑の広さや農作物の取れ高、集落にいる人々の数などを記したものです。

 

これに対し、川名に一歩でも入れば血の雨が降るぞ、と激昂したのが山深い川名を領する直平でした。

なぜそこまで検地を嫌がるのか、直親は気になったので聞いてみたところ、川名には隠し里があるというのです。

 

川名を訪れた直親が、直平に案内されて山道を登って行くと、そこには見渡す限り、幾重もの段を描く、それは見事な棚田が広がっていました。

豊かに実った稲穂が層になって風に揺れ夕日に照らされるさまは、それはそれは美しく、直親は思わず息を呑んで見つめるのでした。

直平は、ここは万が一のときに井伊の民衆が避難する場所で、かつて今川に追い込まれた時もここに隠れてやり過ごせた、謂わば最後の砦なのだと言いました。

 

井伊の居館に戻ると直親は、あの川名の隠し里を今川の役人に見つからないよう隠しておきたい、と自身の考えを直盛に明かしました。

幸い、以前に今川に差し出した絵図にもこの里のことは記されていなかったので、今回もバレないようにうまくやるから自分に任せて欲しい、と頼もしいことを言うのでした。

帰還後の初仕事として直親がどう乗り切るのか、見てみたくなった直盛はこれを認めました。

 

直親は、居館にいたのも束の間、慌ただしく出ていきました。

その姿に、寂しい気持ちを募らせる妻・しの。

もしや、まだ次郎の方に気持ちがあるのでは、と疑惑の念が湧き上がるのでした。

 

龍潭寺でも次郎が検地に備え測量を行っていました。

そこへ直親がやってきました。

突然の訪問に、次郎は驚きと戸惑いの顔を見せます。

次郎は、直親を龍潭寺の部屋へ通すと、直親は口を開きました。

直親は、次郎に今川に子供の頃から知っている友がいるであろう、と聞きました。

どうやら検地にやってくる役人の名前や好み、弱みなど相手を抱き込むための情報を欲しているのでした。

他ならぬ直親の頼みとあっては断る道理もないものの、果たして朗報が得られるかどうかは分からないという次郎。

直親は、竜宮小僧よ恩に着るぞ、と言い立ち去りました。 

直親が立ち去ると早速、次郎は佐名に宛てて文をしたためました。

 

屋敷に帰った直親は、次郎と会っていたのかと、しのから聞かれ、頼みごとをしていたのだとそっけなく答えました。

そして、明日から川名へ行くために数日ほど屋敷を離れると言いました。

しのは、さらに寂しい気持ちを募らせるのでした。 

 

再び川名へ向かった直親は、直平や家人らとともに隠し里へと通ずる道が役人に見つからぬよう隠蔽工作を施しました。

川名は井伊谷からは離れているので役人は行かないことも考えられましたが、念には念を入れなければならないと慎重を期するのでした。

 

小野の屋敷ではお目付役の政次が検地に備えて、各地からの指出に目を通していました。

政次は小野家のお目付役としての立場というものがあるので、当然ながら一つ一つに厳しい目で確認をしました。

川名からの指出がまだ持ってこられない事を政次は不審に思いました。

 

龍潭寺で直親は次郎と面会していました。

瀬名からの返事はまだでした。

次郎は、直親に政次が井伊家の味方をしてくれるか心配でしたが、直親は、政次は父・政直のようにはならぬと言っていたのでそれに賭けてみようと思う、と言うのでした。

 

井伊谷に戻ると直親は、その足で政次の屋敷を訪ね川名の指出に目を通してもらいました。

政次は一通り目を通すと、隠し里の分が欠けている旨を指摘しました。

すると直親は別の冊子を差し出し、こちらには隠し里のことが書いてあるが何とか出さずに済ませたいと言うのでした。

いわゆる二重帳簿です。

井伊家では家老、今川家にとっては目付け、いわば中間管理職のように板挟みとなっているであろう政次の奥深くにある本音、直親はそれに賭けたのでした。

この指出をどうするか、渡してしまうのか破り捨てるのかを政次の裁量に任せることにした直親は、政次の決めた方に従うと言うのでした。

政次は、直親がこうすればきっと井伊家に味方してくれるであろうと、何か自分のことを全て見透かした上で、このような行動を取ったのではないかと感じ無性に腹が立つのでした。

同席していた政次の弟・玄蕃はピュアな性格で直親の言う事に感銘を受け、小野家の事を第一に考えてくれているいい人だと兄に言いますが、既に父と同じダークサイドに飲み込まれつつあった政次は余計に苛立たしい気分が増幅していくのでした。

 

政次は翌朝、各地の指出をまとめ、役人に手渡す検地帳を携えて、直親の前に現れました。

政次が直親に渡した指出には川名の里に関する記述はありませんでした。

政次は記述のあった方は破り捨てたと、冷淡な顔で言いました。

直親は政次に恩義を感じ、深く頭を下げるのでした。

 

いよいよ検地の日、政次は涸れ井戸に腰掛けていました。

そこに次郎が現れました。

政次に少々疑いの念を抱き始めていた次郎は胸騒ぎを覚えました。

 

今川家から検地奉行がやってきました。

奉行は、名を岩松(演:木村祐一)という冷たく無表情で融通が利かなさそうな男でした。

岩松は検地帳を丹念にあらためると、領内の絵図を要求しました。

直親が戸惑いながら、どこか気になるところでもあったのかと尋ねると、領内すべてを最短距離で回るには、どう行くのが最良か確かめているのだと言いました。

不安がよぎった直親は全て回るのかと問うと、岩松は、自分の目で確かめねば気がすまない性分なのだと返しました。

 

岩松による検地が始まりましたが、それはそれは事細かく、検地帳と所領をじっくり見比べ、部下に命じて、持参した測量道具で田畑の実寸を測らせるのでした。

 

夕刻、その日の検地を終えた一行に井伊家は最大限のおもてなしをしました。

豪華な食事を用意し、お酒を飲ませて懐柔しようとしますが、岩松は、明日の朝一番に川名へ向かうので酒は遠慮するとそっけなく言いました。

 

直親は若干焦りを感じていました。

頼みの綱である次郎からの朗報がいつまで待っても来ないのです。

夜、再び龍潭寺へ足を運びます。

しのはまたも次郎の元へ行く直親の姿に、やましい事をしに行ってるのではないと分かりつつもジェラシーな気持ちが抑えられませんでした。

 

直親は次郎に手紙はまだかと聞きますが、返事の文はまだ届いていませんでした。

次郎は直親に、政次の様子が変だと言うと、政次を信じていた直親も若干の不安がよぎるのでした。

 

次郎は、小野家の屋敷に駆け込みました。

政次が裏切るのではないかと不安にかられての行動でした。

次郎は政次に、直親に協力してくれるように頭を下げましたが、政次は突っぱねました。

政次は、直親のせいで二度も好機を失ったのだと言いました。

ひとつは、次郎が出家する羽目になった事。

次郎が出家したことにより、直親はもちろんだが、政次にとっても次郎と結婚するチャンスがなくなったという事。

もうひとつは、現在の直親の妻となっているしのとの縁談を潰された事。

直親が帰ってこなければ、政次がしのと結婚して井伊家を我が物に出来たかもしれなかったのに、それがなくなってしまった事でした。

そして、もうこれ以上自分が損な役回りをさせられるのは御免こうむると言いました。

そう言われた次郎は、何も返す言葉が見つかりませんでした。

次郎は、何の覚悟もないなら寺で経でも読んでおけと捨て台詞をはいて部屋を出ていきました。

しかし、次郎は諦めずに小野家の広間で座り込みをしていました。

 

翌朝、馬の駆け出す音に気づいた次郎は慌てて井伊家に戻りました。

どうやら直親も政次も川名へと出発していました。

そこに南渓和尚が現れました。

どうやら駿府へ行っていて、そこで瀬名からの手紙を預かっていたのでした。

次郎は、キタ━(゚∀゚)━!とばかりに、急いで封を開けると、文には岩松がこよなく愛するものは数と算術、それと…

下記結末(ネタバレ)へつづく

第7回「検地がやってきた」結末(ネタバレ)と感想

瀬名からの手紙には、岩松がこよなく愛するものとして、数と算術、そして亡くなった奥さんであると書いてありました。

後の徳川家康となる「三河のぼんやり」こと竹千代が岩松と仲がよく、いろいろ瀬名に情報を教えてくれたのでした。

瀬名からの手紙を読み終えると、直親を助けると言って次郎は寺を飛び出しました。

それを見ていたしのは、次郎と直親の結びつきの深さにまたも傷つき涙するのでした。

 

川名では直親と直平、そして目付の政次らが立会いのもと、岩松たちによる執拗な検地が行われていました。

直平は、なぜここまで来たのかと政次に対し八つ当たりしていました。

一通り調べ終えた岩松の部下たち。

直親がホッと胸を撫で下ろすも、岩松は馬上からあたりを眺めると何かに気づいたらしく、突然馬を下りそちらへ向かいました。

そう、隠し里へ通じる道の入口を見つけてしまったのでした。

ずんずんと歩いていく岩松の背に直親は追いすがりました。

しかし、岩松の足は止まりません。

足に自信があるのか、健脚で山道を登ると、やがて景色の開ける場所へと達しました。

 

ついにあの広大な棚田が見つかってしまいました。

これは一体どういうことかと岩松の部下が声を荒らげました。

政次は万事休すとばかりに隠し持っていたもうひとつの指出を懐から出そうとしましたが、直親はとっさの判断で、この里は井伊の所持するものではないので指出には入れていない、と言い訳し始めました。

では誰のものかと返され返答に窮した直親は、ここで突然、政次を名指しし責任を押し付けるが如く、ほぼ無茶ぶりのバトンタッチをしました。

 

政次は、聞いてないよぉ…と狼狽しましたが、何とか機転を利かせ、ここはかつて南朝の皇子が身を隠していた里だと説明しました。

だから、ここは井伊の領地でありながら井伊の領地ではないという判断をしたのだと言うのでした。

 

どうやら納得してもらえたようでした。

岩松は堅物ではあるが全く話の通じない相手という訳でもないようです。

 

落ち着きを取り戻した政次が、ふと目線を横にそらすとそこには物陰からこちらを窺う次郎の姿が。

次郎は皆の前に出てくると、岩松に向かって、妻の月命日と聞いていたので供養し経をあげるためにここまで来たのだと言いました。

次郎が一礼、合掌し、そして高らかに誦経すると、岩松は次郎に感謝しながら目を閉じ、次郎の隠し里に響き渡る声に聞き入るのでした。

 

後刻、井伊谷に戻った直親と政次。

涸れ井戸にて、直親の前に隠し里の指出を返すと直親は、この指出をどうするつもりだったのかと、政次に問いました。

政次は、答えは直親が決めれば良いと言いました。

そして、自分を信じようと信じまいとかまわぬが、信じているフリをされるのは気分がいいものではない、と言うのでした。

そう言って立ち去ろうとする政次に、直親は、井伊のため、そして己の幸せを捨てた次郎のため共に協力して欲しいと言いました。

それに対し、政次は呆れ半分、怒り半分の顔を向け、お前のそういうところが好かぬのだ、と言いました。

それは、本心だけを語っていた、子供の頃の鶴の顔そのままでした。

 

夜、井伊家では直盛と千賀が、直親に井伊の居館を出て、一里と離れていない祝田(ほうだ)村に屋敷を構えるように進言しました。

直親と次郎と近いところにいる事が、しのを苦しめているのだと言い、新たな住まいで早く子供を作って、しのとの間にも強い絆を作ることが大事なのだと言うのでした。

 

それからしばらくして、政次の実弟・小野玄蕃に直親の妻・しのの妹である、なつが輿入れしました。

これは、小野家を親族に取り込み家内に強い和をなすための、当主・直盛の策でした。

 

一方、駿府においても、ある縁組が進められていました。

結婚するのは瀬名と、元服し、名を竹千代から元信にあらためた「三河のぼんやり」でした。

瀬名は、何でこんなぼんやりした男と、と思いつつも行かず後家にはなりたくないので仕方なく結婚を了承したのでした。

三河の旧領主・松平家を取り込もうというのが今川家の目論見でしたが、この松平元信、のちの徳川家康となるこの男が、やがて井伊の命運を握る存在になろうことを、まだこの時、誰ひとり知る由もありませんでした。

第6回「初恋の別れ道」つづく

 

今回は、かなりのピンチに陥る話でした。

そして、この事がついに直親と政次の間に亀裂を生じさせる出来事にもなってしまいました。

ここで思い出されるのが、政直が死ぬ間際に言い残した「おまえも俺と同じ道をたどるであろう」というセリフですが、今まさに正直の生き写しとも言うべき政次の姿がそこにある…と思えるほど高橋一生さんの演技がヤバかったですね。

まるで政直が乗り移ったかのようでした。

政直は、小野家の長男に生まれた者がどういう運命をたどることになるか知っていたのでしょうね。

もうすぐ「政次ベイダー」となってしまうのでしょうか…だんだん悪の顔が出てきてしまいましたが、あれだけ嫌な思いをさせられたらそれも仕方ないのかもしれませんね。

直親が帰ってこなければ次郎を還俗させて一緒になるって可能性もなきにしもあらず、さらには自分の結婚相手を親友に取られたワケですから友情に亀裂が入るのも無理はありません。

 

話は変わりますが、「真田丸」が漢字二文字の緊張感のあるサブタイトルに終始していたのに比べて「直虎」って第1回から「井伊谷の少女」とか「崖っぷちの姫」とか「初恋の分かれ道」とか、なんか時代劇というより最近の恋愛ドラマみたいなゆるゆるのタイトルばかりだと思いません?

どうやら、言われてみればなるほどなお話なんですが、某ニュースサイトの情報によると、これって皆、有名な映画とか小説のタイトルをモチーフにして付けているそうです。

そう考えると「崖っぷちの姫」は「崖の上のポニョ」あるいは「崖っぷちの男」って映画もありましたし「初恋の別れ道」は中国映画「初恋のきた道」から来てますね。

他にも、今回の「検地がやってきた」は「ビートルズがやってくる」から付けたと思われますし、今後放送予定の「桶狭間に死す」は「ベニスに死す」、「城主はつらいよ」はフーテンの寅さんでおなじみのあの映画、「徳政令の行方」はジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を取った「告発の行方」って事になる訳で、これに気づいたら今までユルユルのワケワカメなサブタイトルも面白く感じられるのではないでしょうか。

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